気を取り直せなかった

最近アニメ映画を見ていないので、借りてきたんです。

ベクシル-2077 日本鎖国- 通常版 [DVD]

ベクシル-2077 日本鎖国- 通常版 [DVD]

ベクシル-2077日本鎖国-」。
前評判がよかったとのことで、まあそれなりに面白いんだろうと思って借りてきましたら。


個人的には大駄作でした。


まあ、あまり感情的になるのもなんなので、ストーリーをWikiからコピー。
この時点で、やる気のなさが見えますが。

21世紀初頭。
人類に延命効果をもたらしたバイオテクノロジーロボット産業が急速に発展を遂げたことにより、日本は市場を独占し世界を大きくリードした。しかし様々な危険性が指摘されるようになると、国連はこれらの技術を厳格に規制することを求めた。
日本はその要求に従うどころか、反旗を翻して我が道を行く決定を下したのだった。


その決断とは日本を鎖国することだった。


2067年に、日本はハイテク技術を駆使した完全なる鎖国をスタートすることになった。その後日本の情勢は秘密のベールに包まれ、外国人は立ち入ることができなくなった。
そして10年が経過した2077年
米国特殊部隊"SWORD"所属の女性兵士、ベクシルは、日本への潜入作戦を実行する。しかしそこでベクシルが目にしたのは、想像を絶する光景であった。
延々と続く荒涼たる地・・・これがハイテク技術の末に辿り着いた、真の日本の姿なのだろうか?

以下ネタバレのため、「続きを読む」を実装します。

ま、世界設定は映画を楽しむ前提条件ですし、日本のSF作品としてはいわゆる「日本引水」もいたしかたないところでしょう。その意味で、今の中国は分かるとしてお隣のカナダ超大国にしたてあげる昨今のアメリカSFは、やはり本場の貫禄という気がしますね。
しかし、問題はそこから。
鎖国」というのは、広辞苑を引用しますと、
国が外国との通商・交易を禁止あるいは極端に制限すること
とあります。
ところが、本編が始まって数分後には、すでに日本がロボット兵をアメリカに輸出していることを示唆するキャラクターの発言があり、さらに十数分後には映像つきで、日本は未だに世界のロボット市場を席巻していると明確な言及が。
どこが鎖国


まあ、それ以外にも一企業体が日本政府を乗っ取っただの国民総機械化だの、最初の三十分を過ぎたあたりからもう突っ込みどころ満載。映像で「銀色の髪のアギト」に勝っていた以外は何も見るべきところがなかったと思います。私は。
さらにいただけないのは、悪役の思想的背景。
機械化を生物の進化型と位置づけるところまではまだいいでしょう。しかしその後に続くのが、「生まれ変わった日本民族は世界の頂点に立つのだ」さらに「いまやとは私のことだ」。
お前は何人だ
現実のどんな右翼でも、こうした思想的混同は避けるところでしょう。それに対抗する住民代表の対抗策が集団自殺とかもうね。
とりあえず、スポンサーが大日本帝国の害悪を見せ付けようとして、逆に自分たちが生暖かい目で見られる結果になっただろうことは簡単に予想がつきます。


というわけで、こんなものに金を使った自分を恥じつつ、すぐにDVDを返しに行ったのでした。
やはり士郎正宗でないと駄目なのか。