映画 第三弾

この前ネタにした映画クローバーフィールド/HAKAISHA」を見てきました。
ストーリーは以下の通り。

アメリカ合衆国国防総省に、ひとつの資料テープが眠っている。
クローバーフィールド事件」と呼ばれる一連のできごとに関する、事件に巻き込まれた者たちの一部が撮影したホームビデオだ。
発見されたのは、US-447と呼ばれる地区。
かつて、セントラル・パークとして知られた場所である。


それによると、彼らはパーティーの最中に事件を知った。最後の撮影者ロブ・ホーキンズが日本へ栄転するので、彼の兄ジェイソンや同僚のハッドをはじめとした仲間たちがサプライズ・パーティーを開催したのだ。
お別れ会にふさわしい華やかな雰囲気の中、いくつかトラブルも引き起こしながら進行していたパーティーは、突然の振動で中断する。
テレビの緊急放送は、マンハッタン島一帯に地震のような揺れを感知したと伝えているが、同時にリバティー島(自由の女神がある島)付近で石油タンカーが転覆したと報道した。
パーティー会場の高層ビルなら、屋上から見えるかもしれないということで、ロブとジェイソン、そして彼らの恋人であるベスやリリーも屋上に上がる。なりゆきでハンディカムを持たされ、記録係になったハッドも同行した。


そして彼らが目にしたのは、爆発炎上するマンハッタン市街。
ビルの破片が飛来してビルから地上に出た彼らは、摩天楼の隙間を縫ってうごめく何かと、吹き飛ばされた自由の女神の頭部に遭遇する。


混乱の中で彼らが何を考え、何を行ってどのような運命を迎えたのか、それがこのテープを進めるにつれ明らかになってゆく。

我ながら面白みのない説明になりましたが、これは製作者側の空気を読んだことにしておきます。
いや、擬似ドキュメンタリーどころか擬似ホームビデオでしたよ、良い意味で。センセーショナルな題材その他で最近話題の「靖国 YASUKUNI」とかいうドキュメンタリー映画は、内容云々以前の問題として“擬似”のつかない単なるホームビデオでしかないのに、いっぱしの映画づらで金を取っているなどと悪口を言われていますが、本当にそうだとしたらいい対比になるかもしれません。
ともかく、この映画はいい感じの擬似映像記録でした。
まあ、エンディングまで一切BGMが入らなかったのには驚きましたが、正直それどころの話ではありませんでしたから。
いわゆる“キャラクターの視点”に関しては、この映画に勝るものはないんじゃないでしょうか。途中までハッド、それからロブの手が、ずっと視点たるハンディカムを持った状態でストーリーが進んでゆくわけですし。
もちろん手ブレその他もありますが、画面から遠かったためか、それほど酔いはしませんでした。

話そのものに関しては、何しろ登場人物が凡人ばかり(話によると、中の人も新人や子役上がりの俳優さんばかりを意図的に選んだそうで)、盛り上がる場面というものが存在しない堅実かつ地味な*1展開なので、特に泣きも笑いもしませんでしたが、非常に興味深い映画だったことは事実です。
そりゃあ、個人的にはもうちっと長く化け物の正体を伏せていてほしかったとか、色々言いたいことはありますが。

最後に、エンドロールで流れるテーマ曲がとても古きよき怪獣映画風のテーマだったので、そこだけ妙な満足感を覚えました(追記:完全にゴジラ、というより伊福部昭氏に捧げたオマージュのようです)。

*1:もちろん、あの異常な状況のなかでは比較的、という限定条件がつきますが