図書館

そう、図書館
図書館戦争をネタに選んでおきながら情けない話ですが、私は今日まで、大学図書館新聞が置かれていることをすっかり忘れていました。
それで今日の昼、大学図書館にある日本語新聞のすべて(の、一面と政治・国際面)をざっと読み通してきたのですが。
まあ、久しぶりに読んだ新聞の面白いこと。
これは興味深いという意味ではなく、笑えるという意味です。ちなみにわが大学の図書館における新聞レパートリーは、五十音順で朝日新聞京都新聞産経新聞中日新聞日本経済新聞毎日新聞読売新聞でした。
外国語版では、Japan Timesと人民日報海外版を確認しています。ハングルで書かれた新聞もひとつありましたが、これは社名が読めないので割愛。
で、まあ今日の朝刊に載っている事件といえば、これです。
代表して毎日新聞から。
自衛隊イラク派遣:空自の多国籍軍輸送は違憲
以下引用。

 イラクへの自衛隊派遣は違憲だとして、市民団体などが国に派遣差し止めなどを求めた訴訟の控訴審判決が17日、名古屋高裁であった。
 青山邦夫裁判長(高田健一裁判長代読)は原告の請求を退けた1審・名古屋地裁判決を支持し、控訴を棄却したが、「航空自衛隊による多国籍軍の空輸活動は憲法9条に違反している」との判断を示した。

 全国で行われている同種の訴訟で空自の活動の一部を違憲と認定したのは初めて。
 原告団は「控訴は棄却されたが、違憲の司法判断が示された」として上告しない方針で、勝訴した国は上告できないため判決が確定する。

そして、各紙の反応がみごとに違う。
あたりまえだと思っていましたが、いざ目にすると笑いも浮かんできます。
朝日は当然のことながら、憲法九条の精神を生き残らせることができたと大歓迎、毎日や京都や中日も、政府の実質的な敗訴をうけて喜びが紙面ににじみ出ているようでした。対して読売産経は、控訴を棄却しておきながら判決には必要ない憲法解釈を盛り込んだ公判態勢を批判。産経に至っては「公正な裁判ではない」と言わんばかりです(が、その記事が産経ネットで見つからない罠。京都新聞も発見できず)。
一風変わっていたのが日経で、「もうそろそろ政治のお遊戯は終わりにしようね。あと福田寝てんな」といった調子でした。
ちなみに私としては、こういう政治にかかわるイコール周りの罵声が大きくなる問題で、わざわざ傍論に違憲判断をつけくわえたり公判中に裁判長が退任したりというのは、混乱を広めるだけだと思っております。
控訴棄却で実際には原告側の主張を容れるというのは、シロートの私には理解不能な発想ですし、なお悪いことに私のようなシロートがかなりの割合でいると思うんですよねえ、活動家の人たちにも。
今回司法の復活を喜び、前回表現の自由の阻害に憤った方々もしかり。
まあ個人的には、日本の表現の自由を守るよりも中国の表現の自由を守った方がやりがいがあると思うのですが、こと日本の人権団体(笑)に関しては、そう事情は甘くないようで。
ともあれ、このように各紙感情的に(特に朝日、中日、産経)なるような問題の場合、それぞれのカラーがどぎついほどに出るので、一面記事に関連する特集あたりを読むと、初めて手に取る新聞でもベクトルが分かるわけです。
ところが海外の事件は全紙報道しないことがあるので、動画共有サイトあたりでは母語にかかわらずCNNなどのニュース映像が人気になるという事実。
どっとはらい