納得いたしました

何がといって、ジャイアントロボ
実写版ではなく、OVAのことです。
ジャイアントロボなんて名前がついているからロボットアニメかといえばそうではなく、単に主人公がその名のロボを操っているだけのことで、残りの登場人物はほとんどが超能力者や武芸者。彼らが、古臭い言葉を使えばサイキックバトルを繰り広げるのが本作の中心です。
で、鉄人28号のようなロボットアニメでも帝都物語のような……あれも分類よくわかりませんが、怪奇ものでもないので、一体何かと思っていたら。
ようやっとジャンルを見つけました。
いつものように勉強がてら図書館で本を探していたら、「秘曲笑傲江湖」というシリーズを見つけたのです。
作者は金庸。中国か香港系とあたりをつけました。
この数年来、韓流とか華流といったものは敬遠していたのですが、小説版の「JSA」はけっこう面白かったし、Gロボの元ネタにおける双璧「三国志」と「水滸伝」は子供の頃ハマった覚えがあったので、食わず嫌いはよくないと一・二巻を借りてみたのです。
ヤバイ。
金庸おもしろすぐる。
あとで調べてみたところ、この金庸氏は全世界に十億の読者を持つといわれる武侠小説の大家で、中国史のなかでも五指に入る作家だとか。
香港の名士でもあるようですが、それはそれとして笑傲江湖が面白い。Gロボが好きな方はたぶん、ほとんどがご存知かと思いますが、つまり野にあってお上の支配を受けない無頼漢たちのバトルストーリーですよ。その中にも、派閥争いや流派ごとの統制があるのですが。
テレビアニメ「機動武闘伝Gガンダム」の名脇役マスターアジアについた別名「東方不敗」も、どうやらこの笑傲江湖の登場人物から取られているようで。Gガン見たことないから詳しく知らないけど。
もっとも、分かりやすくはありません。作中で合従連衡をくりかえす武術や気功の流派がいくつも交じりあう上に、史実に登場する人物や宗教団体、果ては国までがそれぞれ腹に一物もった状態でいるので、巻頭の地図・勢力紹介ページに指を挟んでおかないと無理。
それでも面白い。娯楽小説好きな私は、同時進行していた北方三国志を後回しにしてしまったほどです。ごめんなさい。
ともかくそうしたわけで、ジャイアントロボ武侠小説の流れだったのだとようやく理解した次第です。
初期の舞台が北京だったのは、登場人物とのかねあいだけが理由でもなかったようで。

秘曲 笑傲江湖〈第1巻〉殺戮の序曲

秘曲 笑傲江湖〈第1巻〉殺戮の序曲