映画 第二弾

また、映画を見てきました。
「300(スリーハンドレット)」
私が尊敬するid:ryuu2]様の評を聞いて、興味がわいたので敢行。
実は映画そのものより、見た後で口直しに寄った三省堂で表紙買いしてしまった古野まほろ著「天帝のつかわせる御矢」のインパクトが強烈で、本筋を忘れていたりしますが、それはそれ。
実はシリーズ第二作の「天帝〜」については、後日あらためて雑文を連ねたいと思います。
映画のストーリーは、以下の通り。

恐るべき児童教育と戦士の質で知られるスパルタは、議会君主制を敷くギリシャの国。そのスパルタにも、クセルクセス王率いるペルシャの大軍が迫り、使節が降伏を要求してきた。
スパルタのレオニダス王はこれを拒否し使節を殺害、交渉は決裂。しかし法に基づくところの諮問会議である神官たちは賄賂と色におぼれて開戦を拒否、議会は神官に追従して出兵を許可しない。
やむなく王は精鋭三〇〇名を引き連れて“散歩”に出かけ、当然のごとくペルシャ軍の前に姿を現した。
敵は洋洋百万名。しかしスパルタはじめギリシャ連合軍には、隘路という地の利と鍛え抜かれた職業軍人たちがいる。そして何より、これが自由を守る戦いであることを、誰もが知っていた。
はたして彼ら三〇〇名は、雲霞のごとく押し寄せるペルシャ軍から、戦いの部隊である谷間を守り抜くことができるのか!?

この映画の真価は、たぶん映像です。
絵がきれいでしょうがない。劇中は血なまぐさいはずなのに、それが伝わってきません。明らかにワザとやってます。
そもそも、役者のかたがたが本当に動いたのがどこまでで、作り物の映像がどこからなのか判然としません。できのいいCG映画(一部実写)と言われても信じる危険性がありました。
マトリックス以来の映像革命という宣伝もウソではないでしょう。
しかしながら、一方で。
私のような批判厨には格好の餌だったことも、間違いありません。
あたりさわりのないところで挙げるなら、
1. いくらアメコミ原作でも善玉悪玉がはっきりしすぎ
2. イランが文句つける気持ちも分かる
3. 史実も強調の仕方によっては政治的意味を持つんだぜ?
4. 実はペルシャ全軍でひとつの噛ませ犬じゃね?
5. これが歴史映画とかほざいた奴ちょっとこい
……といったところでしょうか。
ネタバレ含むと、この学生にも分かる歴史のお勉強タイムはもっと増量します。例えば、
6. 小物臭ふんぷんたるクセルクセスが哀れ
7. ペルシャ兵その一、彼らにも少しはマトモな発言の機会を下さい
8. 同そのニ、基本弱すぎ
9. 同その三、彼ら(特に不死隊)の超デタラメ衣装については日本も怒っていいと思う
10. サイとゾウは何しに出てきたんだ
11. いい加減カッコいい味方とブサイク揃いの敵キャラやめろよ
12. 語り部がスパルタ側でもあのナレーションは酷すぎ

以下自主規制、てなことになります。
……いえ、分かってるんです。娯楽映画にこんな突っ込みは空気嫁てない証拠だとは思います。
でも!
大脱走」みたいに史実に結構忠実な映画だと思って見に行ったんですよ!
それがアメリマンセーな内容とか、銀色の髪のアギト以来のショック(笑)。
でも、スーパーマンとかバットマンみたいに、全くの架空と分かっていれば、純粋に娯楽映画としては楽しめるかもしれません。
残酷描写といえなくもないシーンもありますが、まあチャン・イーモウ監督の、HEROとかLOVERSとかが楽しめる人なら大丈夫じゃないでしょうか。
散々言いましたが、映像はホント綺麗なんですよ。