二人のガスコン

と言う本を買ってきました。

二人のガスコン〈上〉 (講談社文庫)

二人のガスコン〈上〉 (講談社文庫)


講談社文庫版で、上中下巻のうち上二冊。下巻は探索中。
ちなみに、同時に
精霊の守り人
「亡霊は夜歩く」
の二冊も買いましたが、これについてはまた。


この佐藤賢一という人を私がはじめて知ったのが、百年戦争当時のある快男児を描いた(はずの)「傭兵ピエール」、初めて全巻読み通したのがとある近未来を描いた(はずの)「第二次アメリ南北戦争」だったのですが、前者は既に内容を忘れてしまい、後者は表面的に笑えるけど政治的に笑えないコメディという印象だったので、この人の得意技である中世フランスが舞台の小説を読むのは、実質的に今回が初めて。
ストーリーは以下の通り(新潮文庫版上・中巻まで)

ガスコンとは、二人の主人公を含むガスコーニュ出身者を指す。彼らは顔がごつく彫りが深く、見る人が見れば一発で分かる。ブルボン朝時代のガスコンたちは、彼らの頭領たる王家に忠誠を誓っていた。
三銃士でおなじみのシャルル・ダルタニャンも、宰相府の主が代わった現在ではすっかり物分り良くなっていた。地方軍の密偵をしていた彼は、新しい宰相マザランに呼び出され、パリに赴く。
そこで申し付けられたのは、さる貴婦人の監視。しかも文人浪人、巨大な鼻で有名なシラノ・ドゥ・ベルジュラックとペアで行動せよと言う。政府の狗と反体制の口だけ文化人の凹凸コンビ、当然うまくいかない。
しかし、闇夜の暗殺者集団に取り囲まれたり反国王派に抱きこまれそうになったり、二人にお構いなく事態は進んでゆく。やがて彼ら二人のガスコンは、彼らの大首領であるブルボン王家、正確にはその頂点に立つ幼帝ルイ十四世についての秘密に迫ることになってしまう。

いやしかし、最後まで呼んでいないとネタバレの心配も少なくて楽だ。
この本を買ったのは中世ヨーロッパについての情報を廉価で手に入れたかったから、と言うとんでもない魂胆があったからですが、それにはまず全巻読み通してからにしようと思っております。
ただ、独特な文体はますます多用されていて、妙に引っかかったりも。