ふと思ったのだが

以前話題に引っ張ってきたコードギアスに関連して。

このコードギアスアメリカでナショナリズムアニメと非難された、と前の記事で書きましたが、そう言えばおとなり韓国でも電子空間上では文句たらたらだったとか。
私としては朝鮮半島が中華陣営に組み込まれ、日本はボロボロ、敵キャラが北米大陸になっているのですから韓国では好意的に迎えられているのではないかと一瞬考えなくもなかったのですが、韓国の方々もそこまで単純ではないらしい。じゃあ何が不満なのよと言う事で、その一例を要約してみますと
「日本を仮想世界で被占領国にさせることで、日本の罪をごまかそうとしている」
「軍事国家に支配される苦しみを分かっていない日本人が何を言うか」
といった論調(論かどうかはともかく)だったようで。バカにしないでよとプレイバックPart2風に言い返したくなりますが、いわゆる日帝三六年の怨みを水増しこそすれ減らす事はない方々の言い分と思えば納得もいくというもの。
それに、彼らが主張するほどではないと言っても、日本が朝鮮を占領して褒められない事をしたのは事実ですし。
しかし、疑問は湧くのです。


なぜ銀魂はお咎めなしなんだ?


ご存じない方のために説明。銀魂とは週刊少年ジャンプ連載の漫画を原作とする、えー……SF人情なんちゃって時代劇コメディー、なんだそうな。コードギアスとは違って、きちんと漫画が当地で出版されてるそうです。以下公式ページから引用などしつつストーリー説明。

「侍の国」
僕たちの国がそう呼ばれていたのは
今は昔の話──


この世界の江戸時代末期、「天人(あまんと)」と呼ばれる異星人達が襲来した。幕府のとっていた鎖国体制は異星人をその例外とせず、また尊王攘夷論の高まりもあって天人と衝突、後に攘夷戦争と呼ばれることになる足掛け十数年の戦争が勃発した。
ところが、天人の圧倒的な科学力と軍事力を見て戦意を喪失した幕府は早々に天人(正確には犬威族)軍に降伏、条約を結んでしまう。
幕府は数多の天人に操られる傀儡政府となり、江戸中心部にはターミナルと呼ばれる宇宙港が作られ、江戸には大量の天人が流入。ライターから浮遊車まで、日本には急速に機械文明が浸透していった──。


そんな時代、一人の銀髪の侍坂田銀時が、愉快な仲間達と共に奇想天外な生活を過ごしていく物語である。

劇中でも、天人の好き勝手はきっちり描写されてます。レストラン従業員(元武士)への嫌がらせに始まって、

  • 江戸の中心部にある大神社を取り壊しての宇宙港建設
  • 入管の職員を振り回す某星VIPの命令
  • 宇宙海賊の地上での麻薬密売ネットワーク開拓
  • 幕府に食い込んだ天人の腐敗工作
  • 江戸統治と行う天人達のアンダーグラウンド運営

などなど、かなりえげつない展開。ちなみにある幕府職員は、天人を殴ったばかりに職を失いました。
もっとも、全ての天人が幕府を通じての間接統治に満足しているわけではなく、中には倒幕を狙うテロ組織に手を貸すやからも(それにしても、天人追放のために倒幕運動やってる連中が天人と組むってぶっちゃけありえない気が)。
コードギアスではそうした直接の被害は極端で、戦跡がブリタニア人の観光地になったり、日本出身のブリタニア人が服にスプレーで落書きされた程度から非武装民の殲滅まで手口が飛ぶんですが、支配者ブリタニア人が城壁に囲われた「租界」に住んでおり、被支配者日本人は「ゲットー」という何とも直截的な名前の居住区に強制収用されているからでもあるのでしょう。
ともかくこの世界に、韓国から先述のような批判が来たと言う話は聞かないんですよね。
それとも、だから、なんだろうか。何にせよ単純に考えれば不思議ではあります。