久々に
面白い小説に出会えました。
年度初めとか正直どうでもいい。
- 作者: クリス・エヴァンズ,ワダアルコ,月岡小穂
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2009/03/31
- メディア: 文庫
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何がいいって、エルフがマスケット銃使うあたりがもうたまりません。ストーリーはこちら。
過去、カラル帝国最強の軽歩兵連隊として名を轟かせた『鉄(くろがね)のエルフ』。
しかしその面影は、いまやない。
二心あった自治領総督を隊長が暗殺するという未曾有の不祥事を起こした結果、隊そのものが解散されてしまったからだ。
『鉄のエルフ』は、森に住み自然を何よりも優先するエルフのなかで、海の向こうにいる『影の女王』に魅入られたとされ町に出た忌み子たちで構成されていた。
その隊長コノワは、連隊解散と同時に自治領の深き森へ追放され、今に至っている。
しかし彼がある日見たものは、開けた場所で人を襲うモンスター。それ自体は珍しくないが、問題は種類だった。
場違いな若い女に襲いかかろうとしているそれ。
彼らは、『影の女王』の配下であり、また今はもう絶滅したとされる怪猩(ラッケ)だったのだ!
救ったはずの女に殺されかけたりと波乱に富んだひとときの後、コノワは衝撃的なことを彼女の口から聞くことになる。
帝国を思った行動によって僻地に飛ばされた彼を、カラルの女帝はいま、ふたたび召喚したのだった……
ストーリーはこうしたものですが、この小説の長所はそこではありません。
「エルフよりも人間に近い」エルフキナなるキャラクターの独自設定。古典的な新兵と古兵のやりとりにからんだ、ファンタジーならではの種族事情。政治闘争からあふれ出る腐敗臭。
そして何より、主人公コノワのヘタレ具合。
ともかくそんなわけで、この「鉄のエルフ」は私にとって、なかなか面白いファンタジー小説となりました。
「皇国の守護者」とは違った面白さが新鮮です。ところで佐藤先生、続巻はまだですか?