今年に入って
国際関係事情という講義を取っているのですが。
まあ国際関係理論の、欧州中心主義といったらありません。
やれ国家がもっとも重要なファクターだの、集団安全保障だけで世界が平和になるだの、挙句のはてには「世界のすべての国が民主主義国家になれば戦争は起きない」などとおっしゃる。
それはひょっとしてギャグで言ってるのか?
文明レベルがあまり変わらない小さな王国が乱立していたヨーロッパなら、それも成り立つかもしれません。まあ、それらをモデルにした日本・タイ・トルコあたりも、国民国家の体裁は取れているし大丈夫でしょうね。
しかし、民族集団その他を無視して作られた植民地国家には通用しませんぜ。
というところまで、今やっているんですが。実際問題、その辺を説明する理論はどういうものなのか、気になっているところです。
そもそも先進国にとってはマイナーな旧植民地同士の外交関係ですから、自分で考えるしかないのかもしれませんが。
てなことを考えながら、こんな映画を見てました。
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ストーリーはこんな感じです。
CIA工作員のロジャー・フェリスは、近東の大規模なイスラム過激派組織において精神的指導者となっている法学者アル・サリームを追跡中に、イラクで相棒だった現地工作員を失う。
一方彼のボス、CIA中東局のエド・ホフマンは、手紙などの古めかしい方法で連絡を取り、それゆえに強度な防諜体制をとる過激派に対し、アメリカの情報通信網を駆使する現代的なスパイだった。
エドはロジャーへヨルダン行きを指示し、統合情報庁長官のハニ・サラームと渡りをつけさせる。しかしロジャーとハニの共同作業になるはずだったアル・サリーム追跡作戦は、エドとCIAヨルダン支局の横槍で何度となく失敗に終わる。
業を煮やした末に本国召還されたロジャーは、しかしそこでひとつの作戦を思いつく。
その作戦とは──
架空のテロ組織をでっちあげ、戦果を挙げることでアル・サリームに接触させるという、まさかの大バクチだった……。
いやもう、ヨルダンのハニ・サラームがかっこいいこと。
欧州中心の理論(情報通信戦略)と現地の理論(昔ながらの人的工作)という面でも、かなり示唆されるところがありました。
ストーリー的にもかなり手が込んでいたと思います。しかし一番のみどころは、主人公たちと視聴者が同じ先入観、というより侮りを身につけているからこそ、どんでん返しがきいてくる点だと思うんですがね。