悲しむべきことではあるんでしょうが

なんつーか韓国の対応に引いた。

盧武鉉前大統領が死去朝鮮日報

以下引用。

 盧武鉉ノ・ムヒョン)前大統領は23日午前、秘書官一人と登山中に転落、病院に緊急搬送されたが死去した。62歳だった。

 聯合ニュースによると、盧前大統領は頭部に重傷を負い、近くの金海セヨン病院に搬送された後、釜山大学梁山病院に移されたが、死去したとのことだ。

疑惑で大変だった盧前大統領、昨日から今日にかけて自殺の線で固まったようです。
なんだかんだ日本につっかかって来ましたし、それについて好感情をもつ必要を認めませんが、それでも一国を任期末にいたるまで引っ張っていた彼の心労とその結末に、哀悼の意をささげます。

が。
ここから突っ込みどころの嵐
市民1万人以上が弔問毎日新聞

 韓国の盧武鉉ノ・ムヒョン)前大統領の自殺から一夜明けた24日、前大統領の自宅があり、遺体が安置されている同国南部の金海市郊外の集落には、支持者や一般市民が夜通し訪れ、聯合ニュースによると、前日からの弔問者は計1万人以上となった。

 前大統領の実兄、盧健平(ノ・ゴンピョン)被告(不正事件で拘置中)が特例措置として一時的に釈放され、韓国メディアによると、24日未明にこの集落に到着し、関係者と葬儀の形式などについて協議している。

青瓦台が緊急会議、大統領は予定中止(同上)

 韓国・青瓦台(大統領府)は23日午前、鄭正佶(チョン・ジョンギル)大統領室長主催の緊急会議を開き、盧武鉉前大統領の死亡に関する対応策を協議した。青瓦台によると、李明博大統領は同日朝、報告を受けると「事実関係の把握」を関係機関に指示した。李大統領は同夜の公式行事をすべて取り消した。

左派、反政府活動を画策 弔問の首相ら追い返す産経新聞

 韓国の盧武鉉前大統領の突然の死から一夜明けた24日、全国的に追悼の輪が広がる中、行き過ぎた捜査で自殺に追い込まれたとする批判や同情論が高まっている。盧氏を支持してきた左派の野党勢力は、前大統領の自殺を反政府運動に利用する動きもみせている。

(中略)

 盧氏の自宅がある韓国南部・慶尚南道金海市郊外の烽下村では、弔問のために訪れた与党議員らが、村の入り口で盧氏の支持者に立ち入りを阻止され、弔問できないまま引き返す事態が続いている。

こんなドタバタ劇を、果たして本人が望んでいたのかどうか。
そもそも本人の決着のつけ方もどうかと。別に生前ボロクソ言ってたからその延長ってわけじゃありませんが、確か体調崩して辞めた安倍さんには、韓国の政府やメディアも嬉しそうに集中砲火浴びせてましたよね。
正直アレには同意せざるを得ないが、だからこそ今回の過剰対応は疑問と言わざるを得ない。
こういった、ね。

TV、特別番組で詳報=市民も「衝撃隠せず」時事通信

 韓国メディアは23日午前、盧武鉉前大統領が死亡したことを速報、主要テレビ各局は特別番組に切り替えて詳報した。
 通信社・聯合ニュースは午前8時59分、盧前大統領が病院に入院したと速報。その後、登山中に滑落して病院で死亡した事実を伝えた。

葬儀は国民葬 韓国政府発表毎日新聞

 韓国政府は24日、自殺した盧武鉉ノ・ムヒョン)前大統領の葬儀を国民葬として執り行うと発表した。盧氏を追悼する動きが全国に広がるなか、遺族や支持者の感情に配慮した措置とみられる。
 ただ、地元の韓国南部・金海市では「盧氏を死に追いやった」として李明博(イ・ミョンバク)政権批判が高まっており、今後の政権運営にも影響が出そうだ。

焼香所を全国100カ所に設置(上)
焼香所を全国100カ所に設置(下)朝鮮日報

 盧武鉉ノ・ムヒョン)前大統領の葬儀が国民葬で執り行われることが決定したのに伴い、全国各地には政府の公式焼香所が100カ所余り設けられる見通しだ。国民葬には政府予算から数億ウォン(数千万円)が支援され、政府と各界有力者数百人による葬儀委員会も構成される。

エウメネスの言葉を借りれば「文化が違ーう!」ということになるんでしょうか。
それでもやはり侮蔑的感情は抑えられないわけで、このへんが地域文化研究の障害になるわけですね。
めんどくせ。


追記。
海の向こう側にも、同じことを考えていた方はいるようで。

【社説】盧前大統領が安らかに眠れるように(上)
【社説】盧前大統領が安らかに眠れるように(下)朝鮮日報

 盧前大統領の突然の死に支持者が衝撃を受けたとはいえ、弔問に訪れた人が政治的に親しかったか対立していたかによって、弔問を阻んだり、公開の場で恥をかかせたりすることは故人の遺志に反することだ。盧前大統領と政治的なライバル関係にあったか、政治的な立場の差で対立関係にあった人々もまた、あまりに突然の死を惜しみ、故人の冥福を祈るために訪れたのだ。

(中略)

 盧前大統領の突然の死を通じ、一方で韓国政治が過去50年間にわたり背負ってきた「業の鎖」を今こそ必ず断ち切ろうという覚悟を新たにし、一方で故人があの世で平穏な眠りを享受できるように祈ることは残された人の道理でもある。盧前大統領の葬儀が、再び対立を生み、他人に後ろ指をさすような場になることなく、相手の傷を振り返り、相手の痛みを自分の痛みとして受け止める契機になればと思う。

朝鮮日報の本気を見た。
いつもこれぐらい冷静でいてくれたら、日本の大新聞(笑)なんて目じゃない人気を誇れるでしょうに、残念ながらそうではない。
例えば、これ。

「世襲王国」日本の政界で繰り広げられる珍事朝鮮日報

麻生対鳩山の話ですね。
自民党を作った鳩山一郎の孫が反自民の頭になって、追い落とされた吉田茂の孫と対決していますよ、という。
この記事を書いた鮮于鉦という特派員、前々からまじめで興味深い記事とネジの飛びっぷりが笑える記事を交互に出してくるので面白いんですが、今回は後者でした。