穏やかではない

時事通信から。
ホルムズ海峡で自爆攻撃も
以下引用。

イランの精鋭部隊、革命防衛隊海上部隊のファダビ副司令官は29日、イランが攻撃を受けた場合、革命防衛隊傘下の民兵部隊「バシジ」が石油の主要海上流通ルートであるペルシャ湾の出口ホルムズ海峡で「敵」に対する自爆攻撃を行うことを示唆した。

イランのイスラム革命防衛隊、通称パスダランまたはパースダラーネ(防衛の意か)は、1979年のイスラム革命後に創設されました。
いまだ王政に未練を残している可能性がある正規軍とは別に、対テロ・ゲリラ戦や宗教宣伝、治安維持を目的として作られた武装組織だそうです。要は中国人民解放軍と同じ、体制の軍隊ですね。
正規軍は外向き、革命防衛隊は内向きの軍ということだと思っていたら、これらとはまた別に内務省が法秩序警備軍なるものを持っているようで、こちらは要人警護や国境警備などを任務とし、時には犯罪捜査や公安警備も行っているそうです。もうわけがわからない。
余談ですが、現イラン大統領アフマディネジャド氏も革命防衛隊出身だとか。
さて、革命防衛隊が精鋭部隊かどうかはともかく、「傘下の民兵部隊『バシジ』」とは聞き捨てなりません。
バシジまたはバスィージは、1980年に始まったイラン・イラク戦争に参加した志願兵部隊が制度化されたもので、現役九万人、予備役三〇万人、戦時総数一〇〇〇万人超という恐るべき動員力を誇ります。そして保守派の大票田。
毎年行われる軍事演習で選抜されたメンバーは、民兵教育センターで後輩の指導に当たったり、報道各社や公官庁に就職するんだそうです。地方出身者の出世街道というわけですね。
こちらは草の根レベルで革命防衛隊と同じことをしているようですが、パスィージには気に入らない奴を路地裏に引っ張り込んでぼっこぼこにしてやんよ、という雰囲気があるとか。
とはいえ、自爆攻撃はあなどれません。なんせ、海上部隊に限っていえば正規軍より革命防衛隊の方が人数も隻数も多いのですから(錬度やトン数は度外視)。
そもそも現代イスラム世界に自爆攻撃を教えたのが日本赤軍なのであまり大きなことは言えませんが、「敵」が誰かはっきりしない以上、ホルムズ海峡を通ったタンカーで石油を受け取る日本人としては勘弁してほしいところ。
ちなみに、革命防衛隊の特殊部隊クッズは、世界に冠たるアメリカ様からテロ組織認定を受けています。さらにちなみに、革命防衛隊空軍部隊は、イランの弾道ミサイル管理を一手に引き受けています。